遺産分割の手続き方法

1 遺言の確認

被相続人(遺産相続を行う際に相続財産を残して亡くなった人)が生前に遺言書を作成していた場合,その遺言書に従うことが原則となっているので,全ての相続は,まず遺言書が残されていないかどうかを確認することとなります。

公正証書遺言の場合は,公正役場に保管されているため,問い合わせれば存否が判明します。なお,公正役場はどの公正役場に問い合わせても,全国の遺言証書の存否を確認することができます。

自筆証書遺言の場合,どこにあるか探さなければなりません。自宅以外にも,銀行の貸金庫や弁護士等の専門家が保管している場合もあります。なお,2020年7月10日からは自筆証書遺言の法務局保管制度も開始しており,その制度を利用して遺言を残していないかも調査すべきでしょう。

なお,遺言が残されている場合でも,被相続人が遺産分割を禁じておらず,相続人全員,受贈者(遺言により遺贈を受けた人)や遺言執行者が同意をすれば,遺言と異なる分割をすることは可能です。

2 協議分割

遺言がない場合,遺産分割協議により分割方法を決めることになります。

遺産分割協議は,相続人全員で協議して決めることが原則となります(民法第907条)。

協議の方法については特に決まりはなく,電話や手紙,メールといった手段でも可能です。

なお,民法改正により,遺産の全部だけでなく,一部についても分割可能であることが明文化されました(民法第907条第1項)。

遺産分割協議が成立した場合,遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には,相続人全員の署名捺印が必要です。遺産分割協議書があることにより,相続税申告や登記の手続き等をスムーズに進めることができます。これらの手続きの際には,相続人全員の印鑑登録証明書が必要になります。

3 調停分割

協議では分割方法がまとまらない場合,また特定の相続人が参加せずに協議が実施できなかった場合は,家庭裁判所で遺産分割調停を行うことになります。協議がまとまらなかった時点で,次に述べる審判の申し立てをしてもよいのですが,家庭裁判所から,まずは調停を実施するよう勧められることが多いです。

遺産分割調停は,家事審判官(裁判官)と調停委員で組織される調停委員会が,中立公正な立場で,申立人,相手方それぞれから言い分を平等に聞いて,話し合いで遺産分割を円満に解決できるよう斡旋する手続です。もちろん,弁護士を代理人として手続きを進めることもできます。調停で合意が成立した場合,調停調書は確定判決と同様の効力を有します。

4 審判分割

遺産分割調停でも話がまとまらなければ,調停は不成立となり,審判分割に自動的に移行することになります。

審判では,裁判官が,遺産に属する物又は権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して分割方法を決めることとなります。調停手続きのように話し合いながら調整するという方法で進めていくのではなく,当事者である申立人・相手方がそれぞれ主張・立証を行うという形で進行します。

審判で決まった内容には,当事者双方が納得しているかに関わらず,強制力が認められます。審判は,当事者間で話し合いにより遺産の分割方法が決まらなかった場合の最後の手段というイメージです。

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