亡くなられた後で

 弁護士として10年以上稼働していると、相続に関するご相談を多く経験します。残念ながら、ご相談をいただいた多くの場合で、相続人の間で争いとなり、ときには遺産分割の調停や審判などの裁判上の手続を行う場合にまで問題が深刻化してしまうこともあります。

 相続で争いが生じるというは、亡くなられた方からすれば、自分の子供や配偶者や兄弟が互いに争ってしまうという事を意味しており、決して望ましい事態ではありません。現在では、そのような争いを少しでも避けるために、遺言書を作成する場合も増えています。しかしながら、遺言書があっても、法律の規定に対する配慮や税務的な処理が不十分な場合は、遺留分減殺請求などの争いが発生してしまうことがあります(実際に私も遺留分減殺についての訴訟を何度も経験しています)。

 相続に関するご相談を受けてきて思うのは、遺産分割にしても、遺言書の作成にしても、遺留分に関する争いにしても、予め弁護士と税理士にきっちりと相談をしておけば、争いを未然に防ぐことができる場合が多いという事です。

 亡くなった後の預貯金はどうなるのか、亡くなられた方の生命保険は遺産分割の対象となるのか、不動産はどうやって評価されるのか、遺留分はどれくらいになるのか等々、様々な問題が相続という名前のもとに発生してきます。これらについて、専門家の助言を得て、ある程度見通しをもって、予めできる範囲で対応をしておくことが、後々の紛争を未然に防いだり、不幸にして紛争となってしまった場合でも、深刻な争いとなることを防いだりすることができます。

 多くの方にとって、相続というのは、一生のうちに何度も発生するような問題ではありません。しかしながら、弁護士にとって、相続に関する問題というのは、職務の一つとして当然に含まれています。そのため、多くの事例を経験し、修練を積んでいます。それこそが、専門家の専門家たるゆえんであるとも言えます。しかしながら、我々弁護士は、ご相談を受けなければ、その修練を発揮することができません。その点が歯がゆい部分であると感じています。

 何を聞いてよいのかわからないとおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、何を聞いたらよいのかわかるように説明をするのも弁護士の役割であると思っています。相続に限らず、何か問題が起こりそうだと感じたときに、気軽に相談をしてもらえる弁護士でありたいと常に思っています。

 クライアントの不安を少しでも解消して、安心してかえってもらうのが、弁護士の仕事の一丁目一番地だと思います。

 (H.S)

  

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